はじめに
犬種によって異なりますが、犬はだいたい生後1年くらいかけて大人(成犬)になります。
大体、1歳の誕生日を迎えるくらいまでが子犬の時期ということですが、子犬の時期は体が大きく成長する時期なので、食事の内容や分量・与え方・時間・回数などが成犬とは異なる且つ重要です。
飼い主さんとしては、子犬の時期にどんなごはんを、いつ、どのように与えるべきかを理解しておく必要があります。また、犬種・月齢・環境が同じでも、個体差(アレルギーの有無など)によってごはんの分量や好みなどが異なることもあります。
この記事では、成長期の食事の内容や時間・頻度・与え方などについて実際に生後3ヶ月でお迎えしたもかの事例も交えてご紹介していきます。
わんちゃんをお迎えしたばかりの方やこれからお迎えする予定の方で、ごはんをどのように与えれば良いのか迷われている方にとって少しでも参考になればと思います。
子犬の時期の食事回数と与える間隔について
「子犬」とはいっても、時期によって食事の内容や時間が異なってきます。特に子犬の時期というのは、内臓や胃腸などがまだまだ未発達ですので、消化吸収がうまくできません。そのため、1回分の量を少なくし食事の回数は多くしてあげるのはマストです。
まずは、時期ごとの食事の回数や時間・内容の目安について解説します。
生後3ヵ月まで
生後3ヵ月ごろまでの子犬は、離乳食の時期です。この時期の食事回数は3~5回程度です。
全ての時期を通じて言えることですが、犬は人と違って食事をとる時間によってごはんの内容が変わるわけではありません。
従ってこの時期の場合は、同じ離乳食を均等に同じ量だけ1日に3~5回食べるということです。1日に5回ともなると、睡眠時間を除けばだいたい3~4時間に1度ということになり、飼い主さんにとってはけっこう大変かもしれません。
この時期、食事回数を多くしなければいけない理由は主に次の2つです。
- ふやかしたフードや水分の多い離乳食を食べる時期のため、水分が多く一度にたくさんの量を食べることができない。
- 水分が多く消化が早いので、こまめにごはんを食べないとお腹がすいてしまい、胃液(胆汁)を吐いてしまうことがある。
上記を踏まえて、子犬に1日5回の食事を与えるとした場合の時間の例は次のようになります。
(例)8時・11時・14時・17時・20時
飼い主さんのライフスタイルに合わせて、無理のないスケジュールを組むと良いでしょう。また、夜間の空腹時間が空いてしまい胃液をはく場合は、食事を早めたり遅くしたり調整してあげるようにしましょう。
生後3~6ヵ月ごろ
生後3~6ヵ月の頃は、ドライフードへの切り替え時期です。
ごはんの水分量が減り、愛犬の消化器系もだんだん発達するので、一度の食事で食べられるごはんの量も増えます。同時に、食事の回数も3~4回程度と徐々に減らせる可能性があります。
最近ではドッグフードの栄養価が高いことや室内で犬を飼う人が増えていることなどから、ペットの肥満が問題視されるケースが多いですが、少なくとも成長期のうちは肥満をあまり気にする必要はありません。
それよりも、成長できる時期にしっかりと成長できるように、愛犬の様子を見ながら適切な量を見極めしっかりと与えてあげることが大切です。
また、この時期は子犬の「社会化期」といわれ、しつけの時期にあたります。
社会性・協調性を身に着ける大事な時期です。しつけの時には、子犬用のおやつやドライフードを与えてトレーニングを行うことが一般的です。もかは生後3ヶ月の頃にお迎えしましたので丁度この時期にあたります。
食事はドライフードとウェットフードを混ぜて与えていました。1日の食事回数は3回で、夫婦共働きということもあって食事の時間は大体、8時・19時・22時といったタイミングでした。
どうしても日中のお留守番が長くなる傾向にあり、稀に家に帰った時に嘔吐している事もあったので、朝ごはんのあと家を出る前にニュートリデンスという高カロリーのおやつを与えるようにしていました。
仕事などの都合で14時にごはんを与えるのが難しい時には、自動給餌器などのグッズを活用したり、家族にサポートを頼んだりするなどの工夫をすると良いでしょう。
生後6ヶ月〜1年頃まで
生後6ヵ月~1歳頃までの食事の回数は、2~3回程度です。この時期になると、子犬用のドライフードに切り替わっているため、愛犬は1回の食事でしっかりとした分量のごはんを食べることができます。
もかの場合は6〜8ヶ月は25~30g、8〜12ヶ月の頃で30〜35gを1日2回(朝8〜9時頃、夜20〜22時頃)与えています。
子犬の時期に食事の回数が多い理由
飼い主さんのライフスタイルにもよりますが、子犬の時期の食事回数はなかなか大変で理想通りにはいかないこともあると思います。
しかし、子犬だからこそ安易に食事の回数を減らしたりしてしまうのは危険です。子犬の時期は長い時間空腹状態が続くと、低血糖でぐったりしてしまうこともあるので要注意です。改めてとなりますが、子犬が成犬よりも食事の回数が多いのは次の理由です。
- 一度にたくさんの量を食べることができない
- 消化器官がまだ発達しておらず、食べたものをなかなか消化できない
- 成長期なので、大きくなるためにたくさんのエネルギーを摂取しなくてはならない(生後4~5ヵ月で成犬の半分ほどの体重まで成長する犬種もあります)
これらの事情を飼い主さんが理解して、愛犬がしっかり成長できるように環境を整えてあげることが大切です。
子犬の食事の回数や量、与える時間に関する注意点
子犬の食事・量・時間に関する注意点について解説します。
便の状態をチェック
ペットショップからお迎えした場合はスタッフさんに詳しく話を聞けば良いのですが、子犬のごはんの分量は、適正なのかどうかはなかなか判断しづらいものです。そこで、便の状態からごはんの分量をチェックする方法について解説します。
便の状態から食事の量を判断する
- 便の状態が柔らかいとき・・・ごはんの量を少し減らす・回数を増やす
- 便の量が多い・回数が多い・・・食事の量を少し減らす
あくまで参考ですが、便の状態から消化の働きをチェックしてごはんの量の判断に活かすという考え方です。
食事の回数を変更する際に気を付けるポイント
愛犬の食事の回数を変更する際には、飼い主さんがきちんと愛犬の様子を見ながら切り替えることが大切です。特に離乳食からドライフードへの切り替え時期である3ヵ月の頃は、愛犬の体がちゃんと育っているかどうかしっかり見極める事が非常に大事です。
便の状態や体の状態といった健康状態などをチェックして、ごはんを切り替えてもよさそうかどうかを判断したうえで、徐々に切り替えまえしょう。
「徐々に」というのは、例えば時期が来たから突然ごはんの内容をガラッと変えるのではなく、もともと食べていたごはんに少しずつ新しいごはんを混ぜるようにして、だんだん新しいごはんの割合を増やすことでごはんを切り替える方法です。
同じごはんをふやかして与えていた場合は、ふやかす時間を少しずつ短くして徐々にドライに近付けていきましょう。7日間~10日間程度かけてゆっくりと新しいごはんに切り替えることで、身体的にも心理的にも少ない負担でごはんを切り替えることができます。
ドッグフードの選び方も大切
犬の食の好みには個体差があるので、何でもよく食べてくれる犬もいれば、好き嫌いが激しい犬もいます。また、アレルギーがあったりすることもあるので、大切なのは食べてくれるドッグフードであればなんでも良いというわけではないということです。
ごはんは回数や分量だけでなく「中身」にもこだわりましょう。
もかは基本的になんでも食べてくれるのですが、涙やけが酷くて実際フードに悩んだ時期もあって色々調べたり相談したりもしました。その中で1つ改善できたフードがあったのでご紹介します。
ニュートロのシュプレモ(地中海のレシピ)
ニュートロのシリーズは自然素材を使用しており、無添加で毛ツヤや体臭、排便など、健康面の改善効果もあり、他の無添加プレミアムフードに比べて安いといったメリットがあります。もかの場合もこのフードを食べるようになってから涙やけが劇的に改善しました。
おやつの時間や与え方も大切
ごはんもそうですが、子犬にとってはおやつも非常に大切です。ただし、あまり積極的におやつを与え過ぎることがないように注意しましょう。理由としては、冒頭で述べたとおり子犬の時期は体の成長のために最も大切な時期な為、ごはんからしっかりと栄養を摂取することが大切だからです。
ご褒美や飼い主さんとのコミュニケーションといった意味で、おやつを与えること自体は非常に大切な事ではあるのですが、カロリーや満腹感によってごはんが食べられなくなってしまうという事態は避けるように気をつけましょう。
また、子犬の時期はおやつの内容にも注意が必要です。消化器官が未発達なので、消化の悪いおやつを選んでしまうと、食欲にも影響する可能性が高くなります。
上記を踏まえて、理想的なおやつの時間や与え方について整理すると以下のようになります。
ポイント
- おやつはごはんとごはんのちょうど中間くらいのタイミングで与える
例えば9時・15時・21時がごはんの時間の場合、おやつの時間として理想的な時間は12時と18時頃が理想的ということになります。 - おやつのカロリーはなるべく最小限に抑える
ごほうびやコミュニケーションの一環でおやつを与えるという目的上、愛犬が喜ぶものを与えるのが大事ですが、一方でカロリーは必要最小限に抑えたいです。その為「低カロリー」なおやつを選ぶようにしてあげましょう。
まとめ
生後1年くらいまでの子犬の食事について解説してみましたが、いかがでしょうか?
子犬の食事回数や時間はあくまで目安です。個体差やアレルギーの有無等がありますので、体重や成長を日々よく観察しながら調整してあげてください。
愛犬が小さなうちは、食事の頻度も多く飼い主さんにとっても大変な時期かもしれませんが、この短い時間であっという間に子犬は成犬へと成長します。愛おしさを感じつつ、成長を一緒に実感しながら健康で元気に育ってくれるように飼い主さんが積極的に行動してあげましょう。